それでも今この瞬間喉の奥が痛いけど

女嫌いの人がいて
私は女なので流石に私の目の前では普通の人なのだけど
その人は、どうもネットで見かける女叩きを濃縮したような価値観の人らしい。
とにかく否定したいのが先というか、認めないのが前提というか、そういう感じらしい。

女嫌いさんの話を聞くたびに、「異性嫌いっぷり」が昔の私のようだなと思った。
別に本当は「男性は全員ただちに死ね」と思っていたわけでもなかったけれども、
一度無理矢理汚された身には、全然関係ないカップルの男性が彼女に向ける性欲がチラッと見えた瞬間にさえ怯えて内心発狂し、
ファミレスのお客様がちょっとしたものをプレゼントしようとしてきただけで「=身体を差し出せということか」という考えが拭えなくて、攻撃・軽蔑する心を止められなくなった。
怖すぎて直接は攻撃的になれないし、同時に「流石に片っ端から性犯罪を起こすような奴がそうそういるわけないだろ」という現実も頭では分かっていたので、
多分、普通にしているだけの男性に失礼をしないように、心を悟られないようにする努力はしていた。
けれどゲイに掘られて、その瞬間を収めたビデオが大切な人全員に送られて、それから死ね。それくらいが妥当な扱いなのに。そうなればいいのに。と思っていた。
男性の性欲が見境無く怖かった。

私がそうなったのと同じように、女嫌いさんは「女性の金銭欲や尽くされ欲」が怖いようだった。
「女はみーんな男に寄生していかに低コストで一生楽するかってことしか考えてないカスで、そういう風に思われないように必死で努力している奴ばっかり。どんなに奇麗事言ってても行動だけ見れば男を食い物にする気しかないのは明らか。そしてこういうことを言う男のことを全力で見下しているんだ。同じ人間と思ってはいけない」
だそうで。
私も
「男性は全員いかにローリスクで女とHできるかしか考えていないカスで、もし身体をポーンと差し出されたら全員ガッツキにくる。もしいかない場合は女がよほどタイプじゃなかったか、自分の立場が悪くなりそうだという心配がある場合だけで、口先で綺麗なこと言ってもそれは全て嘘。都合の良くない女や性的対象にならない女は全力で見下していて、もし法が咎めない世界なら、そういう女を面白半分に陰惨なやりかたで殺す奴もいるたくさんいるだろう。」
って思ってた。
そして私と女嫌いさんの意見は、悪いとこばっかり見ているだけで、丸っきり的外れなわけでもないんだと思う。
そういう人もいるし、そういう要素を持っている人もいるし、そうじゃない人もいるという当たり前のことが見えていなかった。
それは、二人とも、見ないようにしていたのもあるし、単純に異性と接する機会が少なかったのもあると思う。


でも、私は彼に対してだけは「男性なので所詮は↑が本音だろうけど、別にそれでもいい」って思って愛することができた。
今は「彼の本音は別に↑じゃないな」と思うことができる。
女嫌いさんにはそういう相手はずっといないらしくて、そこが私たちの違いだったんだなと思った。


過剰に憎んでしまうのは、自分の非を認めないからだと思う。
自分も悪かったんだと思えれば、相手を、異性全体を憎んだり怯えたりしなくて良かったんだと思う。

それでも私は、あんなことをされても因果応報だと言われるような悪行なんてした覚えは一切なかった。
女嫌いさんに対して「正直ふったとかふられたとか裏切られたとかその程度の傷のくせに、女性全体にそこまで憎悪を抱けるね。大げさなんだね」とも思ったりした。

でもその女嫌いさんの姿は、傍目から見れば私を鏡に映したようだったらしい。
別に目の前にいる特定の異性にぶつけるわけではないけど、
怖くて憎くて異性なんか認めたくない、絶対になくならないドロドロした感情と、冷静な自分のせめぎ合いがあって、泣いても何年経ってもなくならなくて、頭ではちゃんと分かっているつもりなのにどうにもならなかった。
女嫌いさんもそうだったんだと思う。
私たちは、恋愛経験がなかったことや元来は惚れっぽいことなども共通していて、つまりそういう意味でピュアな人特有の感情が、同じ方向に捻じ曲がっていた仲間なのだと思う。



私は非を認められないというか、認めるべき非はなかった。
なので、今度は「事実」を知ろうとしました。
良いとか悪いとかではなく、例えば「人間は嫌なものからは目を逸らす」というような、
ただの事実を実感したときに私は少し楽になれた。
「泣いている人より笑っている人の方が好かれる」のような当たり前すぎる事実。
「泣いている人が泣いている理由は他人には関係ないし特に興味を持たれることはない」
「単純に『いい状態』の人が好かれるだけ。顔面・精神面・知能・才能」
「わざわざ『悪い状態』の人から好きになる人はこの世にいなくて、『トータルは低いけどある分野が(ある人にとっては)傑出していた』パターンか『悪い状態の人を好きになれる器の広い自分に浸りたい』パターンしかない」
「そこにはどんな悪意も作為もなく、自分自身だって、『いい状態』の他人から好きになっていく」

「自転車は鍵をかけないと盗まれる」
「別に『盗んでも良い』というサインではないが、盗まれる」
「鍵をかけてない自転車が盗まれても、他人は冷ややかである」
「また、『自転車を盗む側の人間』や、『過去に盗まれ(かけ)て不愉快な思いをし、更に周囲に冷ややかに当たられた人間』や、『盗まれる心配なんてない自転車にしか乗れず、それが強固なコンプレックスになっている人間』は、『鍵のかけ忘れ』が『窃盗』同一かそれ以上の非であるかのような物言いをする」

「そのどれもは仕方のないことで、個人の思いとかあまり関係ない」
「そうなるのが常で、なるものはなる」


私が彼にどうしてか好いてもらえたのは、私の過去とか一切関係なくて
ただ私の『状態』が『悪い』と判断されなかったから。
痛んだ部分もいっぱいあるけどトータルで「美味しく食せるレベルだ。俺これでいい」って判断してもらえたから。
そこを、自己評価が低いあまりに変に歪めて理解するのはやめようって思った。
彼も動物だし私も動物だしで、仲良くなったのは広い目で見ればただの利害の一致かもしれないけど、それでもいいって思った。


私は「レイプされたので精神を病んだけれども表面上は努めて明るく振舞いながら過ごし、数年経って今度は逆に無駄にセクシーなお姉さんキャラとして谷間を安売りしながらニコ生やってます」というタイプにはなりたくなかった。
きっと、人がそれを知ったら「あー精神病んだのは嘘で、エロいこと大好きなんだな。かまってちゃん要素はうざいから黙って乳みせとけー」って思うと思うから。
そして私はそう思われたら耐えられないから。

私は「レイプされたので愛する彼氏とも別れちゃった。私はそれ以来?性に対して不安定で、むしろハードなSMとかやらないと感じなくなっちゃったり、そういう大袈裟なプレイをする人間全部をすごい冷めた目で見たり。捻じ曲がっちゃったのかなぁ?w」というタイプにもなりたくなかった。
きっと、人がそれを知ったら「あーそういうプレイが一気に好きになっちゃったのね〜^^」と思うと思うから。
そして私はそう思われたら耐えられないから。

私は「レイプされたのでそれ以来なんとなく無感動になっちゃった。でも別に精神病とかにはなってないよ。別にされてなくても私みたいな子結構いるし。でもなんとなく彼氏とは長続きしないし私は熱烈な恋愛()とかできないみたい。いや、トラウマとかはないよ。Hしても普通にイくし」というタイプにはなりたくなかった。
ただでさえ不本意に汚されたのに、「自分が心に深く深く深く決めたわけでもない男に身体を好きにさせてしまった人」、にこれ以上なりたくなかった。

でも実際にはどのタイプの心も私の中に少しずつある。
唯一良かったと思えるのは、よくわからないまま男性と付き合ってやっぱり別れて、という事実だけは作らないですんだこと。


女嫌いさんも私も、呪いになるから、異性を責めない方がいいと思った。
呪いというのはオカルト的なものではなくて、他に表現が見つからないから呪いと言っているのだけど、
例えば猫を轢き殺してしまったら、猫の命も気持ちもそこでなくなるわけだけど、
轢いた人の心には罪悪感や、様々な感情がずっと残ると思う。
猫はもうそこでオシマイなのだから、それは別に猫の意志ではないけど、猫を殺したことで「自分を攻撃する心」や「自分は攻撃されても仕方がない立場だ」と思う心が自分に生まれる。
これが呪い。
これはきちんと「呪いを解かないと」いつまででも残るし、また、「呪い」は「そもそも呪われない人」には何の影響も与えない。
でも、普通は「自分がしたことは自分に返ってくるんじゃないか」って思いは無意識にどっかにあると思う。
私は男性は「そういうもの」だと決め付けていたから、自分のことも「そういう汚い目でしか見られることがない存在だ」とすごく自然に思っていた。

だから女嫌いさんも自分を呪うようなことは言わない方がいいのに。
解くときに疲れるから。
とか偉そうに思いながら、私は女嫌いさんと私の差は結局は、多分運でしかなかったんだろうなと気づいてしまって、ちょっと疲れました。


彼は私のことを故意に傷つけないであろうことは、ここ何年かで充分理解している。
「たまたま条件に合うメスを見つけたから」であってもいい。大切にしてくれている。
オスだから、私より若い子を見つけてはいそいそと浮気するかもしれないし、
「そういう男じゃないよ」と彼が示していたことが嘘になる可能性だってある。

それでも全然、別にいいと思ってる

それでもいいと思ってるけど、そんなことはきっと絶対にないだろうって思ってる。
この状況で疑う人は、本物のバカと呼ばれてもしょうがない。というくらいの状況で
そんな彼が全部全部知った上で「こつるのこと汚いって思ったことない」って一貫して言ってくれているのだから、私は処女厨がレイプ被害者を叩いているのを見たときの気持ちだとか、性犯罪の被害に合った人に向かって「でもあんたもねー…」と気持ちの悪い顔で言っていた両親を見たときの気持ち、ドラッグストアに検査薬を買いに行って店員さんがこちらに来たので逃げたときの気持ち、あのことがあったときの気持ち、その他色々を過剰に思い出すのはやめようってやっっっと思えた。
ずっと頭ではとっくに分かってて、私自身では否定しきれなかったけど、
彼よりネットの有象無象を優先するなんて、本当に無いなーと思った。
私の人生で出会った人の中で一番真っ当で真っ直ぐな彼を信じる。
他の人間の意見は、私にとっては取るに足らないって、やっと心から思えたのでした。
恋愛フィルター外してちゃんと吟味して考えても、筋が通っているというか、ただの事実を言われているだけだと思う。

まとまりを考えて書かなかったので、私以外の人が読んだらすっっっごく読みにくいのかもしれません。
もうそんな人はいないと思うけどごめんなさい。
また戻ってきたら推敲するかもしれないのですけど、
殴り書きのようなブログなので、多分このままです。